野党側 総理出席の閉会中審査を求める “感染対策の議論必要”

東京都の新型コロナウイルスの感染者が過去最多となる中、立憲民主党など野党側は、感染状況は危機的で、国会でも対策の議論を急ぐ必要があるとして、来週、菅総理大臣が出席し、閉会中審査を行うよう与党側に求めました。

東京都の新型コロナウイルスの感染者が過去最多となる中、立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長らは28日、国会内で会談し対応を協議しました。

この中では、感染者は東京都だけに限らず全国的に見ても増加傾向にあり、すでに危機的な状況にあるという認識で一致しました。

そして、このままではオリンピック閉幕後には国家的な危機となるおそれがあり、対策の議論を急ぐ必要があるとして、来週、菅総理大臣が出席し、予算委員会や厚生労働委員会で閉会中審査を行うよう与党側に求めていく方針を確認しました。

これを受けて、立憲民主党の安住国会対策委員長は自民党の森山国会対策委員長と会談し、閉会中審査の開催を求めたのに対し、森山氏は「よく相談して返事をしたい」と述べ、持ち帰って検討する考えを伝えました。

自民 森山国対委員長「要望にはしかるべき時に返事」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「東京都を中心に感染者数が増えていることは気になるところだが、亡くなる人や重症化する人は少なくなっていると言ってもいいのではないか。ワクチンの効き目があることは安住国会対策委員長とも共通認識だった。安住氏からの要望には、しかるべき時に返事をしたい」と述べました。

立民 安住国対委員長「直接ただしたい」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「感染状況の現実を直視しなければ、オリンピックが終わったあと医療崩壊をはじめとして国民の命に関わるような重大な国家的危機になる。菅総理大臣は『人流が減っているから心配ない』とまで言ったが、楽観的な意識を持っているとすれば、この国のリーダーとして危機認識が足りず直接ただしたい」と述べました。

共産 穀田国対委員長「国会でしっかり議論を」

共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で「感染拡大は深刻で、まともな対策がなく緊急事態宣言の効果も薄まっているため、国会でしっかり議論しなければならない。菅総理大臣は『人流が減っている』としてオリンピックは中止しないと言っているが、第3波や第4波に比べると増えている。総理にはいま最大の決断として大会を中止にすることが求められている」と述べました。