オリンピック 柔道男子 高藤 金メダル 今大会日本初の金メダル

東京オリンピック柔道男子60キロ級で高藤直寿選手が金メダルを獲得しました。今大会、日本にとって最初の金メダルです。

前回、リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得した高藤選手は初戦の2回戦を一本勝ちし、続く準々決勝では延長戦にもつれ込みましたが、相手の反則負けによる勝ちとなりました。

準決勝は前回大会で銀メダルを獲得したカザフスタンのイェルドス・スメトフ選手と対戦し、試合時間11分余りの熱戦となりましたが、最後は隅落としで技ありを奪って勝ち、決勝に進みました。

台湾の楊勇緯選手と対戦した決勝では、序盤から互いに仕掛けますが、共に攻め手を欠いて、この試合も延長戦となりました。

そして、延長3分半すぎ、指導3つによる相手の反則負けによる勝ちとなり、金メダルを獲得しました。

今大会、日本にとって最初の金メダルです。

高藤選手は前回、リオデジャネイロ大会に続けて2大会連続のメダル獲得です。

また、この階級での日本選手の金メダルは2004年、アテネ大会での野村忠宏さん以来です。

柔道男子60キロ級、銀メダルは台湾の楊勇緯選手、銅メダルはカザフスタンのイェルドス・スメトフ選手とフランスのルカ・ムハイジェ選手でした。

高藤「豪快に勝つことできなかったがこれが僕の柔道」

高藤直寿選手は「今までみんなに支えてもらってこの結果があると思います。コーチや監督に迷惑をかけてばっかりだったので、結果を残せてよかったなと思います」と涙ぐみながら話し「豪快に勝つことができなかったがこれが僕の柔道です。本当に応援、ありがとうございます。金メダリストとして自分を磨いていきたいと思います」と喜びを語っていました。

「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない」

世界選手権では三たび、頂点に立った高藤直寿選手。
「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない」と挑んだ2回目のオリンピックで悲願を達成し、この階級で日本勢4大会ぶりの金メダル獲得となりました。

オリンピック初出場だったリオデジャネイロ大会、すでに世界選手権での優勝経験もあり、金メダル候補として臨んだ高藤選手は、銅メダルを獲得したものの涙を流しました。

「オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない」。

高藤選手は、ここまでの5年間、この言葉を繰り返してきました。
「オリンピックというものを大きくしすぎてしまったメンタル面が敗因。自分をコントルールすることを意識してきた」と稽古やトレーニングで徹底して追い込むことで、試合中の苦しい局面でも平常心でいられるメンタルを鍛えてきたと言います。
さらにトレーニングでは、下半身を鍛え上げることで足もとをねらってくる相手の低い技の受けの技術を磨きました。
「変幻自在」と評価の高かった攻撃面でも得意の小内刈りに背負い投げと左右どちらからでも投げられる技の引き出しを増やしてきました。

心と技術の両面で安定感を得た高藤選手は、2017年から世界選手権を2連覇。
おととしは、3位決定戦で大学の後輩、永山竜樹選手に敗れたものの、続く国際大会ではリベンジし「大事な試合では負けていない。格段に安定感はあがった」と自信を口にしていました。
5年越しとなった2回目のオリンピック。
高藤選手は準決勝では試合時間11分余りの長い試合を制するなど、落ち着いた試合運びで負けない柔道を展開しました。

雪辱を果たすと臨んだ大舞台でも磨いてきた安定感で力を出し切りついに悲願の金メダルを手にしました。

両親 涙を流して金メダル喜ぶ

高藤直寿選手の出身地、栃木県下野市では両親がテレビで観戦し、涙を流して金メダルの獲得を喜びました。

栃木県下野市にある高藤選手の実家では、居間にあるテレビの前に父の憲裕さんや母の悦子さんのほか、親戚などが集まり、窓を開けて換気をしながらテレビで試合を観戦しました。

憲裕さんと悦子さんは必勝と描かれたはちまきを巻き、「集中、集中」などと声援を送りながら試合を見守りました。

そして、金メダル獲得が決まると、父の憲裕さんがその場に泣き崩れるようにして喜びを表現し、テレビに映る高藤選手に「直寿ありがとう」などと声をかけていました。

父の憲裕さんは「感無量です。金メダルは小学生のころからずっと親子の悲願で自分の力で勝ち取りすばらしいと思います。小さいころから指導してくれた先生方のおかげです。鮮やかな1本はいりません。自分の柔道で勝ててよかった」と話していました。

また、母の悦子さんは「よくがんばりました。とても立派だと思います。新型コロナで大変な中、オリンピックを開いてもらい、結果を残せたことは皆さんのおかげだと思うので感謝したいです」と話していました。

「涙が出る思い」「ほかの選手も頑張って」などの声

東京 渋谷では喜びの声が聞かれました。

神奈川県の33歳の男性は「コロナ禍で開かれた大会の初日に金メダルを獲得してくれたことは、日本人として誇らしいです。応援する側としても節度を持って応援し、ほかの選手にも頑張ってほしいです」と話していました。

横浜市の40代の女性は「テレビでずっと見ていました。大会ができなかったかもしれないという状況の中で金メダルをとってくれたことに涙が出る思いです。選手が頑張ってくれた分だけ日本が元気になると思うので、ほかの競技でもぜひ頑張ってほしい」と話していました。