東京オリンピック まもなく開会式 無観客で午後8時から

東京オリンピックの開会式は午後8時からメインスタジアムの国立競技場で始まります。新型コロナウイルスの感染の再拡大を受けて無観客での開催となります。

入場行進は50音順 日本は最後に登場

新型コロナウイルスの影響で1年の延期を経て開催される東京オリンピックの開会式は直前になって演出や作曲の担当者が過去の言動によって解任や辞任に追い込まれる事態となりましたが、予定どおり午後8時から国立競技場で行われます。

開会式は感染防止対策として無観客で行われ、当初、およそ1万人と見込まれていたIOC=国際オリンピック委員会や競技団体などの出席者は、およそ950人にまで減らされました。

また、入場行進は選手どうしの間隔を2メートルとるため、当初の予定より30分延長されました。

入場行進はオリンピック発祥の地、ギリシャに続いて難民選手団が入場したあと、日本語の50音順で行進が行われ、最後の3つは2028年大会の開催国であるアメリカ、2024年大会の開催国であるフランス、そして、開催国の日本の順で行進します。

選手団の旗手は、男女平等の観点から今大会から男女1人ずつとなり、日本はバスケットボール男子の八村塁選手とレスリング女子の須崎優衣選手が務めます。

開会式では聖火リレーの最終走者を誰が務め、どのような形で聖火台に火がともされるのかなどが注目されます。

東京都の小池知事は記者団に対し、「きょうは特に重要な日で、歴史の1ページを飾る日でもある。歴史的な1日を迎え、幾多の困難を乗り越えて大会の招致や準備に携わってきた多くの方々にまずは思いをいたしたい。何としても大会を成功させるという決意を新たにした日だ」と述べました。

会場周辺は混雑

開会式が午後8時から始まる国立競技場の周辺では交通規制の範囲が拡大されるなど準備が進められていますが、会場周辺では多くの人が訪れて写真撮影を行うなど、混雑する様子が見られました。

東京オリンピックの開会式は、新型コロナウイルスの感染の再拡大を受けて国立競技場で無観客で行われます。

会場の近くの青山通りは午後4時から通行止めになり、警察官や警備員がう回を呼びかけていました。

会場周辺には多くの人が訪れていて、競技場が見える場所やオリンピックのシンボルマークのモニュメントの前で写真を撮影していました。また、競技場近くの施設では大会公式グッズを販売するオフィシャルショップが営業していて、グッズを買い求める客が列を作っていました。

友人と2人で訪れていた東京 昭島市の30代の男性は「無観客は残念ですが雰囲気だけは味わおうと思ってきました。人が多くてビックリしたがみんなマスクをしているので感染の心配はないと思います」と話していました。
グッズを買い求めていた60代の女性は「ブルーインパルスを見たついでにぬいぐるみを買おうと思ってここまで足を伸ばしました。これから帰って家でテレビで開会式を見ます」と話していました。

都内の大学病院 変異ウイルス感染で中等症病床が満床状態

東京オリンピックが開幕する中、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、都内の大学病院では、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」に感染する若い世代が急増し、中等症の病床が満床状態になっているということです。
東京 文京区の東京医科歯科大学附属病院は、新型コロナの重症と中等症患者の治療にあたっています。この2週間で一気に患者が増え、重症用の病床はまだ受け入れられるものの、20あまりある中等症の病床は満床状態になり、入院を断らざるを得ないケースも出ているということです。

病院によりますと、21日時点の入院患者23人のうち18人が50代以下で、50代が6人、40代が6人、30代以下が6人となっています。
病院が撮影した映像には、若い男性がウイルスを飛散させない「陰圧装置」が取り付けられた専用の車いすに乗せられて病院に運び込まれる姿が記録されていました。この病院では、患者の30%以上がインドで広がった変異ウイルス「デルタ株」に感染していて、感染力が強いことやまだ分からない部分も多いことから、ほかの患者と病室を分ける対応を取っています。

今後、重症患者が増える懸念もあるほか、この病院ではオリンピック選手や大会関係者が感染した際に対応することにもなっていて、大会中に病床がひっ迫し、地域医療に影響が出かねないと危機感を強めています。
植木穣病院長補佐は「中等症病床は完全にひっ迫している。この1週間で患者が倍になり、増え方はこれまでにない早さで、さらに感染が拡大するのか非常に懸念される。これ以上、増えると、一般の救急患者の受け入れ先が決まらないなど、地域医療や救急医療に影響が出てくる。若い人がかからないという考えは捨て、気を引き締めてほしい」と話しています。

東京医科歯科大学附属病院には、50代以下の患者の搬送が相次いでいます。
病院が撮影した映像には、若い男性がウイルスを飛散させない「陰圧装置」が取り付けられた専用の車いすに乗せられて病院に運び込まれる姿が記録されていました。男性は中等症患者として入院しているということです。

さらに、重症用の病床では、イギリスで広がった変異ウイルス「アルファ株」に感染した50代の患者の治療が続けられていました。男性は、人工心肺装置=ECMOが装着されていますが、危険な状態だということです。たんの吸引など、患者1人に多くの医療スタッフで対応しなければならない状態になっていました。