イランで一日当たり2万7000人感染 隣国でワクチン接種する人も

中東のイランでは新型コロナウイルスの感染が再び拡大し一日当たりの感染者数がこれまでで最も多くなりました。国民の多くがワクチンを接種する見通しが立たない中、隣国のアルメニアを訪れワクチンを接種する動きも出ています。

イランでは先月上旬以降、新型コロナウイルスの感染が再拡大していて、イラン保健省によりますと20日、一日当たりの感染者数が2万7444人とこれまでで最も多くなりました。

首都テヘランでは入院している患者数も過去最多になったと伝えられていて死者や重症患者の増加が懸念されています。

イラン政府はインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」が広がっていることが感染拡大の主な理由だとしていて、テヘランではレストランや映画館などが再び営業停止となりました。

イランではことし2月以降、主にロシアや中国が開発したワクチンの接種が進められていますが、ワクチンを少なくとも1回接種した人は690万人余りで人口のおよそ8%にとどまっています。

多くの国民がワクチンを接種する見通しが立たない中、富裕層を中心に隣国のアルメニアでワクチンを接種するケースが増えています。

ロイター通信は、先月アルメニアを訪れたイラン人はことし3月と比べて2倍近くに上ると伝えていて、現地からの映像では首都エレバンの接種会場にイラン人が列をつくっている様子がわかります。