コロナ集団感染の韓国軍 駆逐艦 乗組員帰国 政府批判高まる

アフリカのソマリア沖に派遣され、新型コロナウイルスの集団感染が発生した韓国軍の駆逐艦の乗組員が20日、輸送機で帰国しました。初動の遅れが感染拡大につながったという見方が出ていて、政府への批判が高まっています。

韓国海軍が、海賊対策のためにアフリカ・ソマリア沖のアデン湾に派遣している駆逐艦で、新型コロナウイルスの集団感染が発生し、301人の乗組員のうち、247人の感染が確認されました。

韓国政府は、感染が確認されていない乗組員を含む全員を帰国させるため、2機の輸送機を現地に派遣し、20日夕方、輸送機はソウル近郊の空港に到着しました。

乗組員は、病院などに移送され、治療を受けることになっています。

今回の集団感染をめぐっては、韓国メディアが、当初、かぜのような症状を訴えた乗組員に対し、薬を投与するだけで、十分な検査が行われなかったとして、初動の遅れが感染拡大につながったという見方を伝えるなど、政府への批判が高まっています。

こうした批判を受け20日、ムン・ジェイン(文在寅)大統領が「安易に対処したという指摘を免れることは難しい。批判を謙虚に受け止める」と述べたほか、ソ・ウク(徐旭)国防相も謝罪しました。