新型コロナの治療をVRで記録 医学生が疑似体験へ 順天堂大学

新型コロナウイルスの影響で、医療を学ぶ学生たちが現場で実習を受けるのが難しいことから、順天堂大学では新型コロナの患者の治療手順をVR=バーチャルリアリティーの映像で記録し、教育に役立てる取り組みを進めています。

この取り組みは新型コロナウイルスの治療の実際の様子を医療を学ぶ学生たちに疑似体験してもらおうと東京・文京区の順天堂大学がIT企業と連携して始めました。

新型コロナウイルスの患者を治療する医療現場は、立ち入りが制限されるため、学生たちが臨床実習を行うのは難しい状況が続いています。

20日は大学病院で、360度撮影できる特殊なカメラやゴーグルを使ったVR=バーチャルリアリティーの映像の撮影が行われ、▽実際の医師が新型コロナの患者に見立てた模擬患者の採血を行ったり、▽看護師が防護服を着脱したりしました。

映像はゴーグルを着けることで、実際にその場にいるかのように見ることができるため、学生が、患者や医療機器の位置などを確認しながら、診察や処置などの動作や手順を学ぶことができるということです。

順天堂大学の内藤俊夫主任教授は「教科書や通常の動画では学べない、感染症の現場特有の緊張感を体験できる。今後は飛行機などの検疫の様子を再現する教材も作りたい」と話していました。