サッカー日本代表 吉田麻也 観客を入れての五輪開催を訴え

東京オリンピック、サッカー男子の日本代表のキャプテン、吉田麻也選手が17日、大会前最後の強化試合を終えたあと、「アスリートはやっぱりファンの前でプレーしたい。もう一度、真剣に検討してほしい」と観客を入れてのオリンピック開催を訴えました。

今月22日に初戦を迎えるサッカー男子の日本代表は17日夜、神戸市で大会前最後の強化試合としてスペインと対戦しました。

会場には5000人近い観客を入れて行われ、優勝候補の相手に1対1で引き分けて大会への手応えをつかみました。

試合のあと、オリンピック本番ではサッカーの会場のほとんどが無観客になることを問われた吉田選手は「当たり前だけどアスリートはやっぱりファンの前でプレーしたい。苦しいときにファンの人たちのエネルギーが僕らの助けになる。国民が見に行けないというのは一体誰のための、何のためのオリンピックなのかという疑問がある」と話しました。

さらに「皆さんが毎日命をかけて戦ってくれていることは重々理解しているし、オリンピックがやれることに僕らは感謝しなければいけない立場であることは理解している」としながらも「サッカーに限らず選手たちは毎日人生を賭けて戦っているからこそこの場に立てている選手たちばかりで、オリンピックにかけている選手たちが山ほどいる。もう一度真剣に検討してほしい」と語り、観客を入れての開催を訴えました。

これを受けて日本サッカー協会の田嶋幸三会長もコメントを出し、「1年間にわたってJリーグやプロ野球などでもさまざまなことをテストしてきて、感染対策もしっかりと実行できることが分かっている。誤解を恐れずに言えば、それぞれの競技が開催される地元の方のみに限定する、収容人数の10%とする、競技場近くの子どもたちだけに限定するなどによって、感染拡大防止のための人流抑制も同時にできるのではないか。人生のすべてをささげてきたものを観客の前で披露したいというのが競技にかかわらず世界中のすべての選手たちの願いだと思う」としています。