タイ 「デルタ株」感染拡大 入院できず自宅で死亡するケースも

タイでは、インドで確認された変異ウイルスの感染が拡大している影響で、16日は新たな感染者数が9600人を超え、これまでで最も多くなりました。首都バンコクでは医療体制がひっ迫し、感染した人が入院できず自宅で死亡するケースも出ています。

タイでは、変異ウイルスの「デルタ株」の感染が広がっていて、タイ政府は16日、国内で新たに確認された感染者数が9692人と、これまでで最も多くなったことを明らかにしました。

タイの保健省などによりますと、感染が特に深刻な首都バンコクでは今月13日の時点で、重症者を受け入れる集中治療室の病床の8割以上が埋まるなど医療体制がひっ迫していて、入院できずに自宅での療養中に死亡するケースも出ているということです。

また、ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合がおよそ14%にとどまるなどワクチン接種の遅れも課題になっていて、民間病院が実施するワクチンのオンライン予約に問い合わせが殺到しています。

影響はタイにおよそ8万人いる在留邦人にも広がり、感染に歯止めがかからない中で、ワクチン接種の見通しが立たないことから、日本の外務省などに対しワクチンをタイに輸送し、大使館などでの接種を求める声も上がっています。