濃厚接触者となった選手 一定条件のもとで出場認める方針

東京オリンピック・パラリンピックで新型コロナウイルスの感染者の濃厚接触者となった選手について、大会組織委員会などは、競技開始の6時間前を目安にPCR検査を実施して、その結果が陰性だと確認されるなど、一定の条件のもとで競技への出場を認める方針をまとめました。

東京大会の新型コロナの感染防止に必要なルールをまとめた「プレーブック」では、濃厚接触者となった選手について、毎日検査を行い陰性であることなどを条件に競技への出場を認めるとしていて、組織委員会や国が条件の詳細を関係機関との間で調整していました。

その結果、競技開始の6時間前を目安に、鼻の奥の検体で行うPCR検査を実施して陰性であることや、会場でほかの選手などと動線を分けること、それに競技終了後は別のスペースで待機し、専用の車を使用することなどを条件に、競技への出場を認める方針をまとめました。

さらに、柔道やレスリングなど、選手どうしの接触が生じる競技や、サッカーやバスケットボールなど接触が想定される競技では、濃厚接触者は競技のあとに検査を行い、その選手の濃厚接触者になる可能性のある選手のリストをまとめておくことなども盛り込まれています。

一方で、プレーブックに違反して濃厚接触者となった選手は、競技への参加は認められないとしています。

組織委員会は、これらの方針を国際競技団体や各国・地域のオリンピック委員会などにも説明し、大会本番での実際の運用は、競技の実情に応じて行われることになる見通しです。

競技の特性に応じ分類

今回まとめられた濃厚接触者に関する方針の中で、組織委員会や国は、オリンピックで実施される競技や種目を、ほかの選手と接触が生じる競技や接触が想定される競技など、競技の特性に応じて分類しています。

このうち「接触が生じる競技」は、
▽柔道
▽レスリング
▽テコンドー
▽空手の組手
▽ボクシング
▽ラグビー

また、「試合形式において接触が想定される競技」は、
▽水球
▽バスケットボール
▽サッカー
▽ハンドボール
▽バレーボール
▽ビーチバレー
▽ホッケー
▽バドミントン
▽テニス
▽卓球
▽ボート
▽カヌー
▽野球・ソフトボール

一方で「接触の想定されない競技」は、
▽陸上
▽トライアスロン
▽競泳
▽飛び込み
▽アーティスティックスイミング
▽マラソンスイミング
▽セーリング
▽体操
▽新体操
▽トランポリン
▽アーチェリー
▽自転車競技
▽馬術
▽フェンシング
▽ゴルフ
▽近代五種
▽スケートボード
▽スポーツクライミング
▽サーフィン
▽射撃
▽空手の形

組織委員会などは、これらの分類は目安であり、国際競技団体などの意見を踏まえて、競技に出場するために必要な条件や対応を行うとしています。