ワクチン効果か 医療機関などクラスター300件余り減

新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ことし2月から始まった医療従事者への接種の効果で、医療機関などでのクラスターの発生件数が合わせて300件余り減った可能性があるとする試算を京都大学の西浦博教授らのグループがまとめました。

この試算は、西浦教授が14日に開かれた厚生労働省の専門家会合で示しました。

グループでは、去年11月からことし6月までの期間について、全国の感染状況や、ことし2月から始まった医療従事者へのワクチンの接種状況などのデータを分析し、医療従事者へのワクチン接種が、5人以上のクラスターの発生件数にどう影響したかを試算しました。

その結果、
医療従事者へのワクチン接種が無かった場合は、
医療機関で1060件
高齢者施設で1631件の
クラスターが発生したとみられるのに対し、

ワクチンを接種した場合は、
医療機関で896件
高齢者施設で1476件
と推定されたということで、合わせて319件少ないという計算結果になりました。

グループによりますと、今回の試算では、そのあと始まった高齢者への優先接種や職域での接種の効果は含まれていないということで、西浦教授は「高齢者や一般の人への接種が進むと、クラスターの件数は、今後さらに減っていくはずだ。ワクチンの効果のたまもので、感染状況が厳しい中、明るいニュースだ」と話しています。