仏製薬大手サノフィ 最終段階のワクチン臨床試験 日本でも開始

フランスの製薬大手サノフィは、開発中の新型コロナウイルスのワクチンを人に投与して有効性や安全性を確認する最終段階の臨床試験を、日本国内でも始めたと発表しました。臨床試験は日本を含む世界各国で行われ、結果を踏まえて承認申請を行うとしています。

サノフィの発表によりますと、最終段階の臨床試験は国内の5か所の医療機関を含む、アメリカなど世界各国で3万5000人以上を対象に行う計画で、日本国内でも今月12日、始まりました。

開発するワクチンは「遺伝子組み換えたんぱく質ワクチン」で、ウイルスの表面にあるたんぱく質に似たものを人工的に作って投与して、体内でウイルスを攻撃する抗体を作り出します。

臨床試験では、従来型のウイルスに対応したものと、南アフリカで確認された変異ウイルス『ベータ株』に対応したものの2種類のワクチンについて、効果の無い偽の薬と比較して有効性や安全性を確認する計画です。

会社では、臨床試験の結果を踏まえて日本国内でも承認申請を行うとしていて、実用化できた場合は、岐阜県にある工場での生産を検討しています。

サノフィは「ワクチンをできる限り早期に届けられるよう、製造準備も進めていく」としています。