政府 酒販売事業者への要請撤回 協力金先渡しの仕組み導入急ぐ

新型コロナウイルス対策で、政府は、酒の販売事業者に対し、酒の提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう求める要請を撤回しました。今後は、協力金を先渡しする仕組みの導入を急ぐなど、事業者の協力を得ながら対策の実効性を高めたい考えです。

政府は、酒の販売事業者に対し、緊急事態宣言の対象地域などでは酒の提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう要請していました。

しかし、野党側や業界団体だけでなく与党からも反発が出たことも踏まえ、政府は13日夜、大きな混乱を生じさせたとして、要請を撤回しました。

先に、金融機関に対し、飲食店などに酒の提供停止の順守を働きかけてもらう方針も撤回しており、西村経済再生担当大臣は「私の発言で混乱を招き、飲食店の皆さんに不安を与え、反省している」と釈明しました。

政府としては今後、酒の提供停止などに応じた飲食店への協力金を先渡しする仕組みの導入を急ぐほか、酒の販売事業者への支援策を検討するなど、事業者の協力を得ながら飲食店での感染対策の実効性を高めたい考えです。

一方、国会では14日、衆議院内閣委員会の閉会中審査が行われます。

与党側は、西村大臣の発言などによって関係者の混乱や不信を招いているとして、酒の提供停止による感染防止の効果などを改めて丁寧に説明するよう求めることにしています。

これに対し野党側は、要請の撤回だけで問題は解決しないとして西村大臣の責任をただすとともに、苦境にある飲食業界に圧力をかけようとする政権全体の体質も明確になったとして、追及する方針です。