麻生副総理・財務相 酒類取り引き停止要請 “法的拘束力ない”

国税庁などが酒類の販売事業者に対し「緊急事態宣言」の対象地域などでは、酒の提供を続ける飲食店と取り引きしないよう文書で要請したことについて、麻生副総理兼財務大臣は法的拘束力のない要請だとして理解を求めました。

国の「新型コロナウイルス感染症対策推進室」と国税庁は、今月8日に連名で出した文書で、酒類を販売する事業者に対し「緊急事態宣言」の対象地域などでは、飲食店が要請に応じずに酒の提供を続けていることがわかったら、酒類の取り引きを停止するよう各組合を通じて求めました。

これについて麻生副総理兼財務大臣は、閣議のあとの記者会見で「法的根拠は基本的になく、あくまで酒類販売事業者への一般的なお願いであり、強制力を伴わないものであることははっきりしている」と述べ、法的拘束力のない要請だとして理解を求めました。

そのうえで麻生大臣は「国税庁から丁寧に説明をして、ご理解をいただいたうえで協力をお願いするということではないか。すべての業者に一律に強制的にお願いできるという趣旨の話ではない」と述べました。

この要請を巡っては業界から反発の声も出ていて、業界団体の1つ、全国小売酒販組合中央会が国税庁などに抗議文を提出しています。