氷業者が存続の危機に 東京 4回目の緊急事態宣言で

新型コロナウイルスの感染拡大で東京都に4回目の緊急事態宣言が出されることを受けて、飲食店などに氷を販売する事業者は厳しい状況に追い込まれています。

東京・中央区にある創業73年の氷の卸売り会社は、製氷メーカーから仕入れた氷を専用の機械を使って切り分け、飲食店やホテル、イベント業者などおよそ700店舗に販売しています。

飲食店などに対する時短営業や休業要請の影響で去年春から売り上げは半減したうえ、取り引き先の1割ほどが廃業したということです。

およそ20人いる従業員の一部を休ませたり、国の助成金を活用したりして雇用を維持してきましたが、12日から東京都に再び緊急事態宣言が出されることで、経営状況はさらに厳しくなるとみています。

氷の需要が急増する夏場は年間売り上げの半分近くを占める“かき入れ時”ですが、緊急事態宣言のもと酒を提供する飲食店などに再び休業要請が出されるうえ、大型イベントの中止が相次ぎ、先行きが見通せないといいます。

「中央冷凍産業」の伊藤弘光社長(46)は「感染状況を踏まえれば緊急事態宣言は致し方ない部分もあるが、経営的には大きな痛手で心が折れる。この夏を乗り越えられるか、会社の存続が危ぶまれる状況だ」と話していました。