インドネシア 仮設病院の整備急ぐ 感染状況深刻なジャカルタで

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、医療体制がひっ迫しているインドネシアで、首都ジャカルタでは仮設病院の整備が急ピッチで進められるなど、病床の確保に追われています。

インドネシアでは、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の広がりなどから、9日に新たに確認された感染者は3万8124人となったほか、871人が死亡しました。

感染の拡大によって、治療のための病床や医療用酸素が全国的にひっ迫し、病院で治療を受けられずに自宅で亡くなる人もいることなどから、政府への不満が高まっています。

感染が特に深刻な首都ジャカルタでは、医療体制がひっ迫したことから、政府は宿泊施設を仮設の病院に改装しようと、整備が急ピッチで進められています。

この仮設病院は、集中治療室を含む990の病床を備えていて、10日から感染者の受け入れを始めるということです。

政府は、症状が比較的軽い感染者向けの隔離施設も整備していて、合わせて6200の病床を用意することにしています。

また、インドネシア国内で感染者の治療にあたる、およそ3000の病院の病床も4割増やすことが求められていて、各病院は対応に追われています。

新型コロナウイルスの治療にあたる病床の使用率は、8日時点で、
▽全国で76%
▽ジャカルタでは85%となっていて、
ジャカルタ州政府は、今後も病床を増やし、使用率を70%まで下げたいとしています。