日本提供のワクチン 台湾に到着 追加の113万回分

新型コロナウイルスのワクチンの調達が遅れている台湾に、日本政府が追加で提供したおよそ113万回分が届きました。

一方、台湾当局は域内での感染状況が落ち着きを見せ始めているとして、行動制限を一部緩和することにしました。

日本政府が追加で提供したアストラゼネカのワクチン、およそ113万回分は成田空港から航空機で運ばれ、8日午後、台湾の桃園国際空港に到着しました。

日本から台湾に提供されたワクチンは6月の分と合わせて、およそ237万回分になります。

ワクチンの調達が遅れている台湾にはアメリカも6月250万回分を提供し、自前で購入した分を含めると、700万回分を超えました。

蔡英文総統は、少なくとも1回の接種を済ませる人の割合を7月中に人口の20%以上にすることを目指しています。

一方、台湾当局は8日、域内で新たに18人の感染が確認されたと発表しました。

これは5月中旬に感染が急拡大してから最も少ない人数です。

当局はこれを受けて、4段階の上から2番目の警戒レベルをさらに2週間延長して7月26日まで維持するものの、禁止していた店内での飲食や映画館の営業を条件つきで認めるなど、13日から行動制限を一部緩和することにしました。

蔡英文総統はツイッターに日本語で「この友情のワクチンのおかげで台湾は集団免疫の獲得に一歩大きく近づくことでしょう。先日日本で発生した土石流被害にも関心を寄せつつ、台日が一日も早く『疫病退散』を実現できるよう願っています」と投稿しました。

台湾で最も高いビル「台北101」の壁面には日本への感謝のメッセージが点灯され、蔡総統はその動画もツイッターに添付しています。

台湾外交部の欧江安報道官も「日本政府から台湾への温かい援助が続くことに、最も心のこもった謝意を表します」というコメントを発表しました。