インドネシア 7日の新規感染者3万人超 医療体制ひっ迫

新型コロナウイルスの感染が深刻なインドネシアで、7日に新たに確認された感染者は3万人を超え、死者も1000人を超えました。医療用酸素の1日の使用量は感染拡大前のおよそ500倍になっていて、政府が酸素の確保や供給に追われています。

インドネシアでは、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の広がりなどから、7日に新たに3万4379人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

死亡した人は1040人で、いずれも過去最多となっています。

また、感染者の治療のための病床は、インドネシア全体で76%、首都ジャカルタでは93%まで埋まり、医療体制がひっ迫しています。

こうした中、医療用酸素の需要が増加し、ジャカルタの販売店には、病院に入院できずに自宅で療養している感染者の家族などが長い列をつくっています。

保健省の報道官はNHKの取材に対し、最近では1日の医療用酸素の使用量は、およそ3000トンから4000トンに上っているとしています。

感染が拡大する前の2019年は、1日の使用量がおよそ6トンだったということで、500倍以上に増えています。

インドネシア政府は、国内で製造する酸素のほとんどを医療用にまわすほか、各地に酸素供給の対策本部を立ち上げ、病院への輸送を支援しています。

今後も感染者が増え続ける場合には、中国やシンガポールに酸素確保への支援を求めたいとしています。

現地の日本人「事態の異常さ感じる」

インドネシアにある日本大使館によりますと6日に、新たに現地在住の50代の日本人男性が感染して亡くなったことが確認され、日本人の死者は6月26日から7月6日までの11日間で、合わせて6人になりました。

亡くなったのは、日系企業の駐在員や現地で長く生活している人たちで、40代の人も含まれているということです。

2002年から首都ジャカルタで生活し、日本人向けの生活情報誌の編集長をしている中野千恵子さんは「6月下旬から急激に感染者が増える中で、私が知っている方も、残念ながら亡くなってしまった。日本人は栄養状態もよく、感染対策にかなり気をつかっている人が多い。それでも感染して亡くなってしまうのを見て、自分自身どんな対策をとったらいいのか不安を感じる」と話しています。

また、今月3日からジャカルタで行われている大幅な行動制限について「ここまで、いろんな通りが封鎖される状況は19年間で初めてだ。事態の異常さを感じる」と話しています。

ショッピングモールは休業しているもののスーパーマーケットは営業していて、商品が不足したり混乱したりしている様子はないということです。

感染が拡大するなかで、外国人向けのワクチン接種などの情報については「インドネシアでは情報が混乱しやすく、変更も多い。正しい情報が、なかなか入手できないのは不安だ」と話していました。