大阪での「表現の不自由展」実行委 会場施設の利用求め提訴

7月、大阪市にある大阪府立の施設で開催される予定だった「表現の不自由」をテーマにした展示会について、施設の指定管理者が抗議が相次いでいることを理由に利用の承認を取り消したことに対し、展示会の実行委員会が施設の利用を求める裁判を起こしました。

訴えを起こしたのは、7月16日から3日間「表現の不自由展かんさい」と題した展示会の開催を予定していた実行委員会です。

実行委員会はおととしの「あいちトリエンナーレ」で抗議や脅迫が相次ぎ、一時展示が中止された慰安婦を象徴する少女像などの作品を集め、会場として大阪 中央区の大阪府立労働センター「エル・おおさか」を予約していました。

しかし、大阪労働協会などで作るこの施設の指定管理者は抗議の電話やメールが相次ぎ、街頭での抗議活動も行われていることから「施設利用者の安全確保が困難だ」として、6月25日に利用の承認を取り消しました。

これについて、実行委員会側は30日「混乱を防ぎきれないほどの危険性はない」と主張して、施設を利用できるよう求める訴えを大阪地方裁判所に起こしました。

また、開催予定日が迫っていることから、利用承認の取り消しについて効力を生じさせないよう執行停止の申し立ても行いました。

実行委員会の弁護士は、提訴後に会見を開き「妨害があるからといって正当に認められた利用を妨げられることがあってはならない。表現の自由の点からも裁判所の賢明な判断を求める」と話しました。

施設の指定管理者「弁護士と相談し対応検討」

訴えについて、「エル・おおさか」の指定管理者の代表の大阪労働協会は「訴えに関する動きがあったのは把握しているが、訴状が届いていないので詳しいコメントはできない。弁護士と相談して今後の対応を検討したい」としています。

大阪での開催 これまでの経緯

大阪府立労働センター「エル・おおさか」の指定管理者の代表、大阪労働協会によりますと、ことし3月に施設の利用を承認したということです。

その後、実行委員会が展示会の開催を公表した6月半ば以降、「会場を貸さないでほしい」といった内容の電話やメールが、10日間ほどでおよそ70件寄せられたほか、施設の玄関前で大音量の抗議活動もあったということです。

このため、指定管理者は施設を所有する大阪府にも確認したうえで「施設内には会議室や保育施設もあり、開催すれば一般の利用者の安全を確保することが極めて困難だ」として、6月25日に会場の利用承認を取り消し、展示会の実行委員会に伝えました。

一方、取り消しを判断したあとは「なぜ利用承認を取り消したのか」という問い合わせや抗議のメールが寄せられているということです。

この問題をめぐっては、同様の展示会が6月25日から東京でも開かれる予定でしたが、街頭での抗議活動などが続き、利用できる施設が見つからず延期されています。