「潜在看護師」の復職 6700人余 コロナワクチン接種などに対応

新型コロナウイルスの影響で不足する看護師などを確保するため、日本看護協会は、いわゆる「潜在看護師」に復職を求めていますが、これまでに6700人余りが復職して、ワクチン接種などの対応に当たっていることが分かりました。

これは29日開かれた日本看護協会の会見で、福井トシ子会長が明らかにしました。

協会では、新型コロナウイルスの影響で看護師などが不足したことから、去年春以降、離職している看護師や准看護師に復職を呼びかけてきましたが、6月20日までに累計で合わせて6745人が復職したことが分かったということです。

復職後の働き先としては、ワクチン接種業務が3122人と最も多く、軽症者の宿泊施設が2019人、新型コロナ相談のコールセンターが601人、そして病院や診療所が合わせて134人などとなっていたということです。

福井会長は「潜在看護師は理由があって離職しているので、その中でこれだけの人が協力してくれたのはすばらしい。さらにそれぞれの働き方に合う多様な求人があれば、働ける人はもっと増えるはずだ」と話していました。

また、会見で福井会長は東京オリンピック・パラリンピックについて、大会組織委員会から期間中の看護師などの確保への協力を依頼されたことを明かし「さまざまな意見はあるが、人が集まれば看護を必要とする人が必ず出てくる。医療やワクチン接種の体制に影響しないことを大前提に協会として対応したい」と述べ、できるかぎり協力する意向を示しました。