ANA株主総会 “感染再拡大のリスク考慮し経費削減で黒字化を”

新型コロナウイルスの影響で厳しい経営が続く航空大手「ANAホールディングス」の株主総会が開かれ、会社側は感染が再拡大するリスクも考慮して経費の削減に取り組み、今年度の黒字化を目指す方針を示しました。

ANAホールディングスは昨年度、グループ全体の最終赤字が過去最大の4046億円となり、新型コロナウイルスの感染が収束するめどが立たない中、厳しい経営が続いています。

29日に都内で開かれた株主総会で、片野坂真哉社長は「かつて経験がない規模で需要が減ったが、必ず危機を乗り越えパンデミックの再来にも耐えうる会社に生まれ変わる」と述べました。

出席した株主からは、航空機の売却などによる経費削減の状況や、感染収束後の経営戦略を問う質問が出されました。

これに対し会社側は、ワクチンの接種が進めば、今年度末には国内線の需要が感染拡大前の水準に戻るとする見通しを示す一方で、感染再拡大のリスクも考慮して経費の削減に取り組み、今年度の黒字化を目指す方針を説明しました。

また、感染収束後に向けては、リモートワークの普及でビジネス需要は低迷が続くとして、格安航空会社の事業を強化し、レジャー需要の取り込みを図る方針を示しました。

会社側が提案した取締役の選任などの議案はすべて承認され、株主総会は、およそ1時間半で終了しました。