今年度の最低賃金引き上げ 22日から議論開始 厚労省の審議会

今年度の最低賃金の引き上げについて話し合う、厚生労働省の審議会が、22日から始まります。
新型コロナウイルスの影響が続く中、労働組合は大幅な引き上げを訴えていますが、企業からは業績の悪化などで引き上げは難しいという声が相次いでいて、議論は難航することが予想されます。

最低賃金は、企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、都道府県ごとに金額が決められ、現在、全国平均は時給902円となっています。

労使の代表などが参加する厚生労働省の審議会が毎年、引き上げ額の目安を示していて、22日から今年度の議論が始まります。

労働組合は「最低賃金の水準は低く働いても生活は厳しい。引き上げは働く人の生活の安定と個人消費の拡大につながる」として、大幅な引き上げを訴えています。

一方、中小企業でつくる団体は「業績が悪化した企業がさらに苦しい状況に追い込まれ、従業員の雇用が維持できないおそれがある」として、最低賃金の大幅な引き上げは見送り、今の水準を維持するよう求めています。

最低賃金をめぐっては、政府は全国平均で時給1000円を、より早期に達成するという目標を示しています。

審議会は昨年度、新型コロナウイルスの影響で目安を示すことができず、引き上げ額は全国平均で1円にとどまりました。

今年度は、来月に都道府県ごとの引き上げ額の目安を示す方向で議論が進められますが、労使の間で主張に隔たりが大きく、議論は難航することが予想されます。