インドなどから入国の選手隔離「不公平」改善を インド五輪委

インドのオリンピック委員会は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が、新型コロナウイルスの感染対策として、インドなどから入国する選手について3日間、隔離する方針を示したことに対し「極めて不公平だ」として、改善を求める書簡を組織委員会に送りました。

東京大会の組織委員会は新型コロナウイルスの感染対策として、変異ウイルスの「デルタ株」が最初に見つかったインドや、その周辺の国の選手については、日本入国後の3日間、隔離する方針を示しています。

これに対して、インドオリンピック委員会はNHKの取材に対し、19日に、組織委員会に書簡を送ったことを明らかにしました。

書簡では「競技開始の5日前からしか選手村に入れないのに、隔離のため3日間がむだになる。選手たちにとって状態をピークに持っていかなければならないときにトレーニングをする時間がなくなる」としているほか、競技直前に必要な食事ができなくなり、選手たちのパフォーマンスに影響を及ぼすおそれがあると指摘しています。

そのうえで、インドの選手は2回のワクチン接種を受け、出国前の7日間は毎日、PCR検査を受けるなどと強調したうえで「5年間、努力してきた選手たちが大会直前に差別されるのは極めて不公平だ」と強い不満を表し、改善を求めています。

インドオリンピック委員会のバトラ会長は「インドの選手を差別するものであり、オリンピックの精神に反する」と述べています。

組織委「解釈に相違 丁寧な説明を心がけたい」

大会組織委員会は「通常インドなどからの来日者は10日間の隔離を求められるが、出国前7日間と入国後3日間の合計10日間のバブル管理を行うことは、政府と調整したものだ。書簡には、入国後3日間は全くトレーニングができないのではないかと解釈されている様子もあり、丁寧な説明を心がけたい」とコメントしています。

組織委員会によりますと、入国後3日間も、インド側が提出する行動計画書に基づき、ほかのチームと接触しないなど一定の条件のもとであれば、トレーニングは可能だとしています。