日銀 大規模な金融緩和策 維持を決定 金融政策決定会合

日銀は、18日まで開いた金融政策決定会合で、今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。
また、気候変動問題が経済や物価の情勢に極めて大きな影響を及ぼしうるとして、民間の金融機関の多様な取り組みを支援する新たな資金供給の仕組みを導入する方針も決めました。

日銀は、18日までの2日間、金融政策決定会合を開き、短期金利をマイナスにするとともに、長期金利がゼロ%程度で推移するよう国債を上限なく買い入れて市場に潤沢な資金を供給する、今の大規模な金融緩和策の維持を賛成多数で決めました。

そのうえで、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、ことし9月末までとしていた企業の資金繰り支援策の期限を、来年3月末まで半年間延長することも決めました。

国内の景気の現状については「引き続き厳しい状態にあるが、基調としては持ち直している」という判断を据え置きました。

日銀は、引き続き新型コロナウイルスが経済に与える影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加の金融緩和に踏み切るとしています。

また日銀は、中長期的に見て、気候変動問題が経済や物価の情勢に極めて大きな影響を及ぼしうるとして、民間の金融機関の多様な取り組みを支援する新たな資金供給の仕組みを導入する方針も決めました。

金融機関が気候変動に対応するため、みずからの判断に基づいて行う投資や融資を対象に、そのもととなる資金を有利な条件で貸し付けます。

この仕組みについて、日銀は、来月の金融政策決定会合で骨子の素案を公表し、年内をめどに実施するとしています。

日銀の新型コロナ支援策とは

日銀が延長を決めた支援策「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」は2つの柱からなります。

1つめの柱は、金融機関が新型コロナウイルスの影響を受ける企業に融資した際、日銀がその元となる資金を金利0%で貸し付ける制度です。

制度を利用した金融機関には、融資の実績に応じて、日銀に預けている「当座預金」の残高の一部に、金利を上乗せします。

この制度を通じて日銀が金融機関に貸し付けた残高は、先月末の時点で68兆円余りとなっています。

2つめの柱は、企業が資金調達のために発行する社債を日銀が買い入れる措置です。

購入枠の20兆円に対し、現時点での残高は10兆円余りとなっています。

日銀は、この支援策を去年3月に導入し、これまでに2回、いずれも半年間ずつ延長しています。