尾身会長 “感染再拡大が起きる要素ある しっかり認識すべき”

菅総理大臣の記者会見に同席した「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は「いちばん大事なことは、いま感染の再拡大が起きる要素があるということをしっかり認識することだ。例えば、東京都では感染が高止まりになり、人流の増加も5週間ずっと続いていて、お盆や夏休みという感染を押し上げる恒例行事も近づいている。感染拡大を抑える要素としてワクチン接種があるが、一方で感染を拡大してしまう要因がかなりある」と指摘しました。

そのうえで、今後求められる対策について「ワクチンの接種率を早く上げることは、1丁目1番地の対策だ。また、クラスターが起きやすい集団の人たちに戦略的な接種と同時に検査を行うことも非常に重要だ。強い対策を国民にお願いするなかで、今までよりも、さらに強い国と自治体のリーダーシップが求められていると思う」と述べました。

「ワクチン接種進んでも対策解除はやめたほうがいい」

また「国内では、ワクチンの接種率が上がると重症化する人が少なくなること、人々に安心感が出ること、それに感染防御しやすくなることの3つのことが起きると考えている。ただ、10月、11月になって接種が進んだとしても、若い人では高齢者ほど接種率は上がらないと考えられワクチンの効果も100%ではないので、感染が完全に下火になってガードを下ろせる時期はもうしばらく先になると考えている。ワクチン接種が進んでも社会の行動、人々の意識、政府や自治体の対応のしかた次第ではすぐに感染者が増えるおそれがあり、急に対策を解除することはやめたほうがいいと思う」と述べました。