インドの変異ウイルス“デルタ株” 流行拡大のリスクも 感染研

国立感染症研究所は新型コロナウイルスの変異ウイルスについての評価をまとめ、インドで確認された変異ウイルスについて、これまでの変異ウイルスの感染力と同等以上であることがほぼ確実だとして水際や国内での対策が必要だとしました。

国立感染症研究所では今月、国内の変異ウイルスについてこれまでの評価をまとめ公表しました。

それによりますと、ことし4月に日本で「懸念すべき変異ウイルス」に指定していたフィリピンで確認された変異ウイルスの「シータ株」については、拡大傾向がみられないことから分類を下げて「注目すべき変異ウイルス」にしたということです。

また、日本ではこれまでインドで確認された3種類の変異ウイルスをまとめて「懸念すべき変異ウイルス」としていましたが、このうちの感染者が増えつつある「デルタ株」だけを「懸念すべき変異ウイルス」にするとしました。

そして、このインドで確認された「デルタ株」についてはイギリスで確認された変異ウイルスと比べて感染力が同等以上であることはほぼ確実だとして、接触機会が増えたり感染対策の緩みが生まれるとこれまでより顕著に流行が拡大するリスクがあるとしました。

そのうえで変異ウイルスに対しては入国制限などの水際対策で海外から入ってくるリスクは一定程度抑えられているものの、完全に防げるものではないとして、引き続き国内での適切で機動的な対策も必要だと指摘しました。