子どもへのワクチン接種「個別接種が望ましい」学会などが見解

新型コロナウイルスのワクチンの子どもへの接種について、小児科医でつくる学会などが16日に会見を開き、子どもへの接種は、きめ細かな対応が必要だとして、個別接種が望ましいなどとする見解を示しました。

厚生労働省は5月から、ファイザー社製の新型コロナウイルスのワクチンについて、12歳から15歳の子どもも公的な予防接種の対象としています。

これについて、日本小児科学会と小児科の開業医などで作る日本小児科医会が16日にオンラインで合同の会見を開き、それぞれの見解を公表しました。

このうち、日本小児科学会の見解では、子どもを感染から守るためには、周囲の大人がワクチンを接種することが重要だとしたうえで、重い基礎疾患がある子どもは、接種によって感染しても重症化するのを防ぐことが期待できるとしました。

健康な子どもについてもワクチンの接種は意義があるとしましたが、子どもは高齢者に比べると発熱などの副反応が出やすいことなどから、きめ細かな対応を行うために、できれば個別接種が望ましいとしました。

そして、やむをえず集団接種をする場合でも、子ども本人や保護者に個別に説明を行う配慮が望まれるとしています。

また、日本小児科医会が示した提言でも、子どもに接種する際には、丁寧な対応が可能な個別接種が基本としました。

学校での集団接種は同意の確認が難しいことや、学校医だけでは問診から副反応への対応まではできないことなどから、集団接種をする場合は、地域の医師や看護師などに協力を依頼するべきだとしました。

日本小児科学会の森内浩幸理事は「子どもへの接種は、まだ十分な情報があるとは言えないので慎重に丁寧に行っていくべきだ」と話していました。
また、日本小児科医会の神川晃会長は「理想的なワクチン接種体制を構築して、子どもたちのワクチン接種を、より安全に実施したい」と話していました。