“宣言や重点措置解除でもイベントは1万人を上限” 西村大臣

イベントの開催制限について政府は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除した場合でも、大規模なスポーツイベントなどでは1万人を上限とする経過措置を講じることになりました。

新型コロナウイルス対策の一環として行っているイベントの開催制限をめぐって政府は、数万人規模の大規模なスポーツイベントなどを行う場合、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域では参加者の上限を5000人に、それ以外の地域では、収容人数の半分までとする制限を設けていて、今月末が期限となっています。

これについて、西村経済再生担当大臣は、16日、開かれた政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」で、宣言や重点措置を解除した場合でも、直ちに収容人数の半分までは認めず、1万人を上限とする経過措置を講じたいという方針を示しました。

そのうえで、経過措置を含むイベント制限を8月末まで維持したいという考えを示しました。

そして「経過措置が緩和のように受け取られている向きがあるが、段階的措置として1か月程度は1万人という上限を課すということなので、理解してほしい」と述べました。

また、田村厚生労働大臣は「全国的に感染者数の減少傾向が続いているが、東京の場合は、若年層に限ると感染者が増えてきている。宣言や重点措置を解除すればリバウンドが起こる可能性があり、注意しなければならない」と述べました。

分科会ではイベント制限をめぐり出席者から「緩和ではなく、より厳しい措置であることを丁寧に説明してもらいたい」という意見が出され、政府の方針は了承されました。

東邦大学 舘田教授「五輪は切り離して考えるべき」

東邦大学の舘田一博教授は記者団に対し「大規模イベントへの対応は『慎重にやる』ということで、納得した。ただ、東京オリンピック・パラリンピックを想定したものではなく、別の次元のイベントであり、集まる人も全く変わるので、切り離して考えるべきだ。東京大会の観客の在り方については、専門家からの提言が出てくるので、関係者が議論をして最終判断をすると思う」と述べました。

日本医師会「イベント開催の制限の緩和ではない」

日本医師会の釜萢敏常任理事は記者団に対し「『決してイベント開催の制限の緩和につながるものではない』ということが、しっかり確認できたので、同意をした。また、今回の経過措置が東京オリンピック・パラリンピックとは全く関係がないということも確認した」と述べました。

一方で、釜萢氏は記者団から東京大会の期間中に感染者が増えた場合、緊急事態宣言の発出を求めるのか問われたのに対し「当然、感染拡大が起きればイベントの開催に関わらず必要だと思う。どんどん感染が拡大して医療が対応できなくなることは避けなければいけない」と述べました。

小池都知事 五輪・パラ観客上限「まだ決まっていない」

緊急事態宣言を解除した場合のイベントの開催制限や東京オリンピック・パラリンピックの観客の上限について、東京都の小池知事は、「解除後のことはまだ決まっていない。基準は他のスポーツイベントも同じだ。それを参考に話し合われる段取りになっている」と述べました。

政府は、イベントの開催制限について、今月20日の期限で緊急事態宣言を解除した場合、直ちに収容人数の半分までは認めず、1万人を上限とする経過措置を設ける方向で調整しています。

これについて、東京都の小池知事は記者団から「東京オリンピック・パラリンピック大会にも適応される可能性があるが受け止めはあるか」と聞かれたのに対して、「解除後の20日以降のことはまだ決まっていない。状況を見ている」と述べました。

そのうえで「国の基準は、他のスポーツイベントも同じだ。それを参考に話し合われる段取りになっている」と述べました。