中国原発から放射性物質 日本国内の放射線量に有意な変動なし

中国南部の原子力発電所で、ガス状の放射性物質が当局の規制に従って放出されたとされていることについて、原子力規制庁は、国内の放射線量を測定するモニタリングポストの値に変化がないか注視するとともに、情報収集を進めています。
今のところ、線量の値に有意な変動はないということです。

中国南部、広東省にある台山原子力発電所について、原発を建設しメンテナンスを行うフランスの企業の親会社である大手電力会社は、運用を担う中国の会社が当局の規制に従って、ガス状の放射性物質を外部に放出したものの、基準の範囲内であって事故ではないとしています。

これについて原子力規制庁は、沖縄県をはじめ国内各地に設置されている放射線量を測定するモニタリングポストの値に変化がないかを注視しています。

今のところ、モニタリングポストの値に有意な変動はないということです。

また15日昼ごろ、中国の国家核安全局に対しメールで情報を求めたところ、「回答を作成して返答する」といった内容のメールが、夕方ごろ返ってきたということです。

規制庁は、外務省などと連携しながら、引き続き情報収集を進めることにしています。

専門家「日本への影響大きくなるおそれ低いか」

原子力工学が専門で、名古屋大学の山本章夫教授は、トラブルの状況や放射性物質の放出量など、詳しく分かっていないことが多く、はっきりと言えないとしたうえで「核燃料は被覆管と呼ばれる金属製の細長い管で覆われているが、この管に穴があくなどの損傷が起きると、ガス状の放射性物質が出てくる。このガスは冷却材である水に流れ込み、一般的にタンクにためて減衰させたうえで、外部に放出されることになるが、損傷の度合いなどによって、放出量が変わってくると考えられる。日本の原発でも、被覆管に小さな穴があくトラブルが起きることはあるものの、今回のトラブルが、どの程度のものだったかは、はっきりしていない。日本国内への影響が大きくなるおそれは低いと思われるが、注視していく必要がある」と話しています。

原子力規制委 更田委員長「日本に影響あれば検出のはず」

中国南部の原発で、ガス状の放射性物質が当局の規制に従って放出されたとされていることについて、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、16日の記者会見で「私たちは、中国の規制当局と韓国の規制当局の3者で協議するような場があり、チャンネルを持っているので、それを使って中国の規制当局に情報共有を求める連絡を取った。今のところ、まだ返事はもらっていない」と述べました。

そして、更田委員長は、国内の放射線量を測定するモニタリングポストの値に変化はないとしたうえで「中国との距離から考えて将来にわたり日本に影響があるとしたら、すでにどこかで検出できていなければおかしい。得られている情報が非常に少なく、推測ではあるが、健康や環境の面で日本に影響が及ぶ可能性は極めて小さいと思う」としました。