大手旅行会社「HIS」中間決算 過去最大232億円の最終赤字

大手旅行会社「エイチ・アイ・エス」が11日発表したことし4月までの半年間の決算は、新型コロナウイルスによる旅行需要の落ち込みで、最終的な損益が過去最大の232億円の赤字となりました。会社では、最大1500人の社員を外部の企業に出向させて経費の削減を進める方針です。

エイチ・アイ・エスが発表した去年11月からことし4月までの半年間のグループ全体の決算は、売り上げが前の年度の同じ時期より80%減って676億円、最終的な損益は232億円の赤字でした。

新型コロナウイルスの感染拡大で主力の海外旅行の需要がほぼなくなり、国内旅行の需要も低迷したことが要因です。

中間決算の最終赤字は2年連続で、赤字の額は2002年に株式を上場して以来、最大です。

また、ことし10月までの1年間の業績予想は、需要が回復する時期が見通せないことなどから未定としています。

会社では、最大1500人の社員を外部の企業に出向させるほか、給与の減額などで経費の削減を進めるとともに、エネルギーなど旅行以外の事業の拡大を目指すとしています。

オンラインで開かれた説明会で澤田秀雄会長兼社長は「今がいちばん悪いボトムだと思う。これからワクチン接種が進み、ことし秋以降、国内旅行は本格的に回復すると予想している。コスト削減も進め、2022年度に通期での黒字化を目指したい」と述べました。