バイデン大統領 ワクチン5億回分を各国に「ひも付きではない」

アメリカのバイデン大統領は訪問先のイギリスで演説し、新型コロナウイルスのワクチン5億回分を各国に提供するとしたうえで「これはひも付きではない。何らかの見返りや譲歩を求めるものではない」と述べ、いわゆる「ワクチン外交」を展開する中国などに対抗する考えをにじませました。

G7サミット=主要7か国首脳会議に出席するためにイギリスを訪問しているアメリカのバイデン大統領は10日、演説し、新型コロナウイルスのワクチン5億回分を途上国などおよそ100の国々に提供すると発表しました。

そのうえで「これはひも付きではない。アメリカが提供するワクチンは何らかの見返りや譲歩を求めるものではない。人々の命を救い、感染拡大を終わらせるためだけにやっている」と述べました。

また「日本、インド、オーストラリア、アメリカからなる『クアッド』と呼ばれるパートナーシップを通じてわれわれはワクチンの生産を支援してきた」と述べ、日本を含む価値観を共有する国々と連携することでワクチンの供給態勢を強化しているとアピールしました。

バイデン大統領としては、中国やロシアがいわゆる「ワクチン外交」で影響力を拡大することを警戒していて、これに対抗するためにもG7サミットの場でワクチンの供給態勢の強化への協力を各国から取り付けたいという考えです。