「アフィリエイト広告」ウソや誇大宣伝 被害防止へ検討会

ウェブサイトなどに掲載した広告を見た人が商品を購入した数などに応じて広告掲載者に報酬が支払われる「アフィリエイト広告」で、ウソや誇大な宣伝が問題となっていることから、消費者庁は、有識者による検討会を設置して消費者被害を防ぐための仕組み作りなどを進めることになりました。

アフィリエイト広告は、ブログなどのウェブサイトに掲載した広告を見た人が商品を購入した数などに応じて報酬が支払われる仕組みで、広告を掲載するサイトの運営者などは「アフィリエイター」と呼ばれています。

アフィリエイターは、専門の仲介業者などを通じて広告主である商品の販売者から委託を受けて広告を制作・掲載していますが、アフィリエイターの数が多いことなどから、広告主などによる管理が行き届かないこともあり、ウソや誤解を与える広告の表示などが問題になっています。

こうしたことから消費者庁は、法律の専門家のほか企業や消費者の団体の担当者などを委員とする検討会を設置し、10日、初めての会合がオンラインで開かれました。

検討会の冒頭で、井上消費者担当大臣は「アフィリエイト広告は大きな市場となり、今後も増大が見込まれる。消費者に分かりやすく、適正な広告となることが重要だ」と述べました。

検討会では、広告主による広告内容の管理の在り方や悪質なアフィリエイターを排除するための取り組みなど被害防止のための仕組み作りについて話し合い、年内に取りまとめを行う方針です。

アフィリエイト広告とは

アフィリエイト広告は、成果報酬型のインターネット広告のひとつで、広告を見た消費者が商品を購入するなど、条件を満たした場合に、その成果に応じた報酬がアフィリエイターと呼ばれる広告の掲載者に支払われる仕組みです。

アフィリエイト広告が掲載される場所は、アフィリエイターが運営するウェブサイト上などとなるため、広告にはリンクやバナーなども表示して広告主のサイトに移れるようになっています。

こうした仕組みは「アフィリエイトサービスプロバイダー」と呼ばれる事業者が一般的に提供していて、広告主とアフィリエイターそれぞれと契約を結び、報酬のやり取りを仲介したり、手数料収入を得たりしています。

アフィリエイターは「アフィリエイトサービスプロバイダー」が提供するサービスなどを使って、広告のバナーや商品を紹介する記事などを掲載する専用のページを作ることもあります。

消費者庁によりますと、国内のアフィリエイトサービスプロバイダーは70社ほどあるとみられ、市場規模はおよそ3000億円に上るとみられるということです。

登録されているアフィリエイターは延べ数百万人に上るとみられていますが、活動状況などは詳しく分かっておらず、消費者庁は検討会と並行して、アフィリエイト広告に関する実態調査も進めています。

ネット広告に関する相談 過去最多に

アフィリエイト広告を含む、インターネット広告をめぐっては、
▽ねつ造した画像を使って、有名人などが商品を紹介しているかのように見せかけ、消費者に誤解させることで商品の購入などを促す、いわゆる「フェイク広告」や、
▽人気漫画などを違法に掲載した海賊版サイトに広告を掲載して、多くのアクセス数を集めることで運営者などが多額の広告収入を得ていた問題なども起きています。

全国の消費生活センターなどに寄せられたネット広告に関する相談は、ことし3月までの1年間におよそ11万3000件と、前の年に比べて1.3倍ほどに増え、過去最多となっています。

このうち、アフィリエイト広告に関する相談事例では、
▽アフィリエイト広告で「初回解約OK」などと宣伝していたにもかかわらず、販売業者に解約を申し出ると「3回目までの購入が条件だ」として、およそ4万円の支払いを求められたケースや、
▽「効果が無ければ全額保証」という宣伝を見て、ダイエットサプリを購入したが、1か月使用しても効果がなかったため、販売業者に返金を求めたところ「アフィリエイターが勝手に宣伝した」として、対応してくれないケースなどがあったということです。

こうしたトラブルの背景には、広告を制作・掲載するアフィリエイターが、多くの報酬を得ようとして、消費者が興味を引きやすいウソや誇大な宣伝をすることがあることや、アフィリエイターの数が多いことと、仲介業者が絡むことで、広告主による広告内容の管理が行き届きにくいことが影響しているとみられています。

ことし3月には、合理的な根拠がないにもかかわらず「たった2か月で髪がフサフサ」などとアフィリエイト広告を使って宣伝していたとして、広告主である育毛剤を販売していた東京の通販会社に対し、消費者庁が景品表示法に基づく措置命令を行うなど、広告主の責任が問われるケースも出てきています。

広告表示に関する規制などを定めた景品表示法では、不当表示の禁止対象が商品やサービスを供給する事業者の表示に限定されているため、みずから供給していないアフィリエイターは取締りの対象にはなっておらず、問題となる広告を生み出さないための仕組み作りが急務となっています。