「ママの近くに来るんじゃない」30代女性 自宅療養で感染拡大

先月上旬に新型コロナウイルスに感染した札幌市の女性が、3人の幼い子どもがいる状況で、自宅での療養を続け、家庭内に感染が広がった経験を語りました。

札幌市に住む30代の女性は先月9日に感染が確認され、高血圧とぜんそくの持病がある夫と、4歳から8歳までの3人の子どもも感染しているのではないかと不安だったといいます。

「子どもを学校に通わせられないし、夫も仕事行けなくなるし、何よりも夫に基礎疾患があるので、重症化してしまったらどうしようかと焦りました」

その後、ほかの家族、全員の陰性が確認され、女性は1人でホテル療養となるはずでしたが、札幌市内の感染拡大の影響で入れなくなりました。

「『ホテル療養しましょう』と言われたので、『分かりました』と答えましたが、前日になって『入れるはずの部屋が、空かなかったので、ホテルでの療養は、難しくなってしまいました』という電話が来ました」

「ママの近くに来るんじゃない」

このため、基礎疾患がある夫は自費でホテルで生活してもらい、自身は子どもたちと、自宅での療養を続けることになりました。

「いちばんつらかったのは、甘えたい盛りの子どもたちに、『こっちに来るんじゃない、ママの近くに来るんじゃない』と言わなければならなかったことです。私も子どもたちも寂しくて大変でした」

そして、女性が陽性と判明してからおよそ2週間後の先月21日、のどの痛みを訴えた子どものうち1人の感染が新たに判明しました。

女性は、「私からうつってしまったんだと思います。『ホテルで療養できたらよかったのにな』と正直、思いました」と話していました。

ずっと換気 すべて消毒しても…

女性は子どもがいる時の自宅での療養では、感染を防ぐのは難しいと訴えていて「家族全員、マスクをつけて、日中はずっと窓を開けて換気して、私が触ったところはすべて消毒をしても家庭内感染が起こってしまいました。『じゃあどうしたら防げたんだろう』と『教えてください』と思ってます」と話しています。