企業 大学生など対象の採用面接始まる ことしもオンライン多く

来年春に卒業する大学生などを対象にした企業の採用面接が1日から始まり、採用活動が本格化しています。ことしも新型コロナウイルスの影響でオンラインの面接が多くなっています。

このうち東京 千代田区にある損害保険大手の三井住友海上の本社では、1日からオンラインでの1次面接が始まりました。

面接担当の社員が机に設置されたタブレット端末を通じて、学生に志望動機や学生時代に取り組んだことなどを質問していました。

最終面接は対面で

この会社では新型コロナの影響で去年はすべての面接をオンラインで行いましたが、学生からも“直接顔をあわせて話したい”といった要望があったことから、ことしは最終面接は対面で行うことにしています。
三井住友海上人事部採用チームの保坂宇衣課長は「やはり最後は対面で面接することで、お互いにミスマッチの無い状態にして、入社を決めてもらいたい」と話していました。
就職情報会社、ディスコの武井房子上席研究員は「学生からみると会社の雰囲気もかなり重要な要素だが、オンラインだと把握しにくい。セミナーや1次面接はオンラインで効率的に行うが、最終面接は対面でというケースが増えていると思う」と話しています。

すべてオンライン面接の会社では

広島市に本社があるスポーツ用品や医療・福祉機器の製造などを行う「モルテン」は、去年からオンラインでの面接を取り入れ、ことしは対面での面接を取りやめ、すべてをオンラインで行っています。

1日は面接を行う役員らが会社の会議室や自宅からノートパソコンの画面越しに、学生時代に力を入れてきたことや会社にどのように貢献できるかなどを質問していました。

この会社では例年と同じおよそ20人の採用を予定していて、エントリーシートに加えて、アピールしたい点などを撮影した3分の動画を事前に提出してもらっているということです。
面接を行った大谷剛取締役は「雰囲気や人となりが分かる対面での面接を行いたいが、やむをえない。オンラインであっても学生の情報をできるだけ多く集め、意欲ある学生を採用したい」と話していました。

梶山経済産業相「第2の就職氷河期つくらないよう後押し」

来年春に卒業する大学生などを対象にした企業の採用面接が1日から始まったことについて、梶山経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「コロナ禍で、厳しい就活となる学生や、新卒採用を抑制する企業があることは承知している。経済産業省は第2の就職氷河期を絶対につくらない観点から、新卒採用の増加を後押しする税制措置を講じている。引き続き就職活動の実態を丁寧に把握しつつ関係省庁と連携して的確に対応していきたい」と述べました。