OECD 世界経済成長率予測を引き上げ 日本は接種遅れで下方修正

新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な影響を受けた世界経済の先行きについて、OECD=経済協力開発機構は、先進国を中心にワクチンの接種が進んでいることなどを受けて、ことしの成長率の予測を前回の5.6%から5.8%に引き上げました。一方で日本の成長率は接種の遅れなどを指摘して下方修正しました。

OECDは31日、世界の経済成長率の最新の予測を発表し、世界全体のことしの成長率を前回、3月の予測の5.6%から5.8%に引き上げました。

その背景についてOECDは先進国を中心にワクチンの接種が進み、政府の景気刺激策で需要が高まっていることなどを挙げ、
地域別では
▽アメリカを6.9%、
▽ドイツやフランスなどのユーロ圏を4.3%、
▽イギリスを7.2%と予測し、いずれも上方修正しました。

▽また、企業活動が活発になっている中国も8.5%に引き上げました。

▽一方、日本については緊急事態宣言が一部の地域で続いていることに加え、ワクチンの接種がほかの先進国と比べて遅いことを指摘し、ことしの成長率を2.6%と前回の予測から0.1ポイント下方修正しました。

そのうえで「感染拡大が長引けば、東京オリンピック・パラリンピックの支障となり、経済にさらなる打撃となるおそれがある」としています。

各国の経済成長率の予測 ことしと来年

OECDが31日に公表した経済成長率の予測です。

▽世界全体はことしが5.8%、来年が4.4%となっています。

各国別では
▽日本はことしが2.6%、来年が2.0%、
▽アメリカはことしが6.9%、来年が3.6%、
▽中国はことしが8.5%、来年が5.8%、
▽ドイツやフランスなどユーロ圏はことしが4.3%、来年が4.4%、
▽イギリスはことしが7.2%、来年が5.5%、
▽韓国はことしが3.8%、来年が2.8%、
▽ブラジルはことしが3.7%、来年が2.5%、
▽南アフリカはことしが3.8%、来年が2.5%などとなっています。