WHO年次総会 今後の感染症に備え作業部会設置の決議案を採択

WHO=世界保健機関の年次総会は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて今後の感染症に備える作業部会を設置するための決議案を採択し、今後、新たな条約の締結も視野に入れた議論が本格化することになりそうです。

テレビ会議形式で行われているWHOの年次総会では31日、EU=ヨーロッパ連合や日本などが共同で提出した決議案が全会一致で採択されました。

決議案では、新型コロナウイルスの対応ではWHOや各国が十分な備えができていなかったとしたうえで、今後の新たな感染症に備えてWHOの対応を強化するための作業部会を設置するとしています。

この作業部会についてEUなどは「今後の感染症対策に向けた新たな条約などについての議論を優先的に行うべきだ」と提案しました。

また、新型コロナウイルスに対するWHOや各国の対応を検証してきた独立委員会も、感染症対策でのWHOや各国の法的な義務を強化するための条約の締結を提言していて、作業部会では、今後、新たな条約も視野に入れた議論が本格化することになりそうです。

WHOはことし11月29日から3日間再び総会を開き、作業部会の議論を踏まえて条約などをつくることのメリットに特化した議論を集中して行うことにしています。