JTB 過去最大1051億円の赤字 昨年度のグループ全体決算

旅行業界最大手「JTB」の昨年度の決算は、新型コロナウイルスの影響で国内外の旅行需要が落ち込み、最終的な損益が過去最大の1051億円の赤字となりました。

JTBが28日発表したことし3月までの1年間のグループ全体の決算は、▼売り上げが前の年度より71%減少して3721億円、▼最終的な損益は前の年度の16億円の黒字から一転して過去最大の1051億円の赤字となりました。

今年度の業績予想については、現時点では合理的な算定ができないとして、具体的な収益の額は示しませんでしたが、ワクチン接種の効果による旅行需要の回復などで黒字化は可能だとしています。

JTBは経営の立て直しに向けて、今年度中に、いずれも2019年度と比べて▽国内に480あった店舗数を115店舗減らすほか▽およそ2万9000人いた国内外の社員数をおよそ7200人減らす計画です。

さらに、今年度の賞与の支給を見送るほか、給与も減額して、当面、社員の年収ベースで30%削減し、人件費を抑えるとしています。

JTBは、財務基盤を強化するため、政府系金融機関の日本政策投資銀行に優先株を引き受けてもらう形で資本支援を要請する方向で検討を進めていることが明らかになっています。

オンラインの会見で山北栄二郎社長は「いまの感染状況が続くことで人の交流が抑制されるが、環境の変化にあわせて対応していきたい。あらゆる自助努力によって資本を確保すると同時に、金融機関とさまざまな手法を用いて資本増強の検討を続けていきたい」と述べました。