WHO ワクチン接種 すべての国で9月まで少なくとも人口の10%を

WHO=世界保健機関の年次総会が始まり、テドロス事務局長はことし9月までにすべての国で人口の少なくとも10%が新型コロナウイルスのワクチン接種を終えられるよう、先進国などに対して公平な分配への協力を呼びかけました。

24日から始まったWHOの年次総会は、感染拡大を受けて、ことしもテレビ会議形式で行われ、194のすべての加盟国が参加しています。

この中で、テドロス事務局長は、世界で接種された新型コロナウイルスのワクチンの75%余りをわずか10か国が独占しているとしたうえで「ひどい不公平であり、パンデミックを長引かせている」と述べ、途上国を中心にワクチンの接種が進んでいないことに危機感を示しました。

そして、テドロス事務局長はことし9月までにすべての国で人口の少なくとも10%が接種を終えることを目指すとする新たな目標を掲げたうえで、先進国などに対し、ワクチンの公平な分配の枠組み「COVAX(コバックス)ファシリティ」に協力するよう呼びかけました。

総会は6月1日まで開かれ、WHOや各国の感染対策を検証してきた独立委員会の報告書をもとに議論が行われるほか、新たな感染症に備えて国際的な協力体制の強化を目指す決議案が採択される見通しです。

一方、今回の総会には、WHOに加盟していない台湾がアメリカや日本の支持も受けて、オブザーバーとして参加を目指していましたが、中国などの反対で参加は認められませんでした。