地方銀行の昨年度決算 46%が減益か赤字に 貸し倒れ費用増加

全国の地方銀行の昨年度=2020年度の決算は、全体の46%が最終損益で「減益」または「赤字」となりました。新型コロナウイルスの影響の長期化で、貸し倒れに備えた費用などが増えたことが収益を圧迫しました。

株式を上場している地方銀行はことし3月時点で78あり、野村証券は各行の昨年度の決算を分析しました。

それによりますと、最終損益は3つの地銀が「赤字」、33の地銀が「減益」となり、全体の46%に上りました。

新型コロナウイルスの影響の長期化で、貸し倒れに備えた費用などが前の年度に比べて2割増えたことが収益を圧迫しました。

一方、39の地銀が増益に、3つの地銀が前の年度の赤字から黒字に転換しましたが、最終利益の合計は前の年度より10%減少しました。

地域金融機関の経営環境が厳しさを増すなか、政府と日銀は合併や経営統合を含む経営基盤の強化を後押しする制度を相次いで打ち出しています。

今月は青森県の青森銀行とみちのく銀行が3年後の合併を目指して協議を進めることで基本合意したほか、福井県の福井銀行も福邦銀行を子会社化することを正式に決めており、こうした再編の動きが広がるかどうかが今後の焦点になっています。