コロナ禍の地域鉄道 ファンド設立など資金確保に工夫

新型コロナウイルスの影響で経営環境が一段と厳しくなっている地域の鉄道会社では、運営に必要な資金を確保するため、みずからファンドを設立したり、インターネットで寄付を募ったりするなど工夫を凝らす動きが広がっています。

このうち、長野県の第三セクターの「しなの鉄道」は、国内の鉄道会社で初めて資金調達のためのファンドを作り、来月までに個人と機関投資家から合わせて5000万円を集める計画です。

個人からは1口5万円から出資を募り、集まった資金は主に消費電力が少ない新型車両の導入に充てることにしています。

インターネットで広く寄付を募る「クラウドファンディング」を活用する動きも相次いでいて、群馬県と栃木県を結ぶ「わたらせ渓谷鉄道」は、車両の検査費用として980万円余りを集めました。

また、兵庫県の第三セクターの「北条鉄道」は、地元の加西市が企業版ふるさと納税で集めたおよそ5000万円の資金を活用して運行本数を増やしました。

国土交通省によりますと、全国に95ある地域の鉄道会社のおよそ8割が新型コロナウイルスの感染拡大前から赤字で、経営環境が一段と厳しくなるなか、運営に必要な資金を確保するための工夫を凝らす動きが広がっています。