沖縄 「緊急事態宣言」開始 飲食店は休業対応に追われる

沖縄県は23日から緊急事態宣言の期間に入り、休業要請が行われた酒類を提供する飲食店では、およそ1か月の休業に向けて準備に追われる様子が見られました。

沖縄県は23日から来月20日まで緊急事態宣言の期間に入り、県内全域で酒類を提供する飲食店などに対する休業要請が行われました。

これを受けて那覇市久茂地にある居酒屋では、来月20日までの休業を知らせる貼り紙を店先に掲示するなど休業に向けて準備に追われる様子が見られました。

店主の女性は「店の売り上げの中でお酒の割合が高いので、お酒を出さないとやっていけないし、感染者数が増えているので怖いので閉めることにした」と話していました。

また那覇市の飲み屋街、栄町市場にある居酒屋では、23日からしばらく休業することを決め、日持ちしない野菜を持ち帰るなど片づけに追われていました。

店主の女性は「酒を出さなかったら料理だけ食べに来る人はいないと思う。これまで店を開けていたが赤字が続いていて、なんとか給付金でまかなってきた。みんな同じ状況なのでなんとか乗り越えるしかない」と話していました。

ダイビング客 さらに減少も

沖縄観光の目玉の1つ、マリンレジャー業では、県外からのダイビング客が大幅に減っていますが、緊急事態宣言が出されたことでさらに客が減るのではないかと不安視する声が出ていました。

ダイビング業を営む男性は「緊急事態宣言が出ると県外のお客さんがみんな遠慮してこなくなる。たぶんこの先もキャンセルが続くと思う」と力なく話していました。

石垣島「安全に観光できるように」

緊急事態宣言が出された初日の23日、沖縄県は訪問の自粛を求めていますが、石垣島の新石垣空港ではスーツケースなどを運ぶ観光客の姿も見られました。

ことしの大型連休の期間中、石垣島には多くの人が訪れ、先月29日から今月5日までの期間に日本航空のグループと全日空を使って新石垣空港を利用した人は、合わせて3万399人でした。

空港ターミナルでジェラートなどを販売している店の店長は、23日は大型連休期間中ほどの客足はないということでしたが、「これから夏休みシーズンに向けてしっかりと気を引き締めないといけないので、緊急事態宣言はしたほうがよいかなと思う。マスク、消毒など観光客の方に協力いただければ島民としてもありがたいと思っています」と話していました。

また、島の観光スポットの1つ、川平湾では、訪れる観光客はそれほど多くなく、閑散とした様子が見られました。

川平湾でグラスボートを使った遊覧観光を行っている業者の男性は「お客さんが増えるのはうれしいですが、怖い部分もあります。安全に観光できるようになってほしいと思います。今は船内の消毒や3密を避けるなど徹底してがんばっていきたい」と話していました。

一方、島内の主要な観光スポットの駐車場の入り口にはロープが張られていて利用しないよう呼びかける掲示が出ていました。