「家族のためにも自分が感染しないこと」 家庭内感染の大学生

新型コロナウイルスに感染した札幌市の20代の大学生の男性が、NHKの取材に応じ、自分から両親に感染が広がる「家庭内感染」が起きたと話しました。父親は入院し、母親は高熱が続き、男性は「申し訳ない気持ちでいっぱいになった。家族のためにも自分が感染しないことが重要だと痛感した」と振り返りました。

NHKの取材に応じたのは、先月14日に新型コロナウイルスへの感染が確認された札幌市に住む20代の大学生の男性です。

男性は感染した経緯について「どこで感染したのかはわからないが、大学から帰宅すると、非常に強いけん怠感があった。両親が食事を用意してくれていたが、食べることもできず、すぐにベッドに入るような状況だった」と説明しました。

男性は翌日も高熱や頭痛などの症状が続き、両親と相談してPCR検査を受けたところ、陽性が判明したということで「信じたくない気持ちがすごく強かった。やってしまったという思いと、周りにすごく迷惑をかけてしまうのではないかと不安になった」と話しました。

男性は症状が軽かったため、ホテルでの宿泊療養となりましたが、その後、両親の感染が明らかになり、父親は男性と同じホテルに入ったものの症状が悪化して入院し、母親も自宅での療養となりながら、高熱が続いたということです。

男性は、自分から両親に感染が広がる「家庭内感染」だったとしたうえで「両親に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。自分自身がつらかったのは数日だったが、若くはない両親にうつしてしまったことを考えると、家族のためにも自分が感染しないことが本当に重要なのだと痛感した」と述べました。

男性と両親は、すでに回復しているということですが、男性は「次は誰かにうつさないように手洗いやマスクの着用を徹底するというのが重要だとあらためて思わせる経験だった」と振り返り、自身と同じ若い世代に対策の徹底を呼びかけました。