ワクチン大規模接種 東京会場で予行演習 自衛隊員らが手順確認

政府が設置する大規模接種センターでの新型コロナウイルスのワクチン接種が来週、始まるのを前に会場で予行演習が行われ、運営に当たる自衛隊員などが接種の手順を確認しました。

政府が東京と大阪に開設する大規模接種センターでのワクチンの接種は今月24日に始まる予定で、東京 大手町の会場では21日午後、実際に運営に当たる自衛隊員などおよそ900人が参加して予行演習が行われました。

接種を受けるおよそ200人の高齢者役が会場を訪れると、屋外に設けられたプレハブの建物での検温や受け付け、医師の資格を持つ自衛隊員、「医官」による問診など、一連の手順を確認しました。

また、大規模接種センターでは21日承認されたモデルナのワクチンが使われることになっていて、接種が行われるブースでは看護師の資格を持つ自衛隊員、「看護官」などが接種のデモンストレーションを行っていました。

そして、接種が終わった人に「接種済証」を交付し、2回目の接種の日程を伝えたあと経過観察のコーナーに案内し、看護官や民間の看護師が副反応が出た人がいないか、様子を見回っていました。

今月24日からの1週間で、東京の会場では4万9000件の予約枠が設けられ、この期間の予約はすでに埋まっています。

また政府は、この会場では、1日に最大で1万人程度の接種を行うことが可能になるとしています。

「自衛隊東京大規模接種センター」の水口靖規センター長は「しっかりしたマニュアルを整備して、スタッフに徹底するとともに接種が始まったあとに問題が起これば、改善しながら接種を進めたい」と話していました。

岸防衛相「準備はおおむね順調に進んでいるのでは」

東京会場で行われた予行訓練を視察した岸防衛大臣は、記者団に対し「会場は、動線も分かりやすく作ってあるし、訪れた高齢者の方にさまざまな問題が起きても、きちんと対応できる態勢が取れている。準備はおおむね順調に進んでいるのではないか。自衛隊と民間との間でコミュニケーションをしっかりと取って、頑張ってほしい」と述べました。

JR東京駅との間で無料送迎バス運行も

政府が東京 千代田区に設ける新型コロナウイルスのワクチン接種の大規模会場とJR東京駅をつなぐ無料の送迎バスが運行されることになりました。

送迎バスは、東京都が観光バス会社「はとバス」に委託して運行されます。

高齢者向けのワクチン接種のため政府が東京 千代田区大手町に設置する大規模会場とJR東京駅の丸の内南口をつなぎ接種の対象者や付き添いの人の移動を支援します。

接種が始まる来週の月曜日、今月24日から毎日、午前7時45分から午後7時55分まで、おおむね5分から6分間隔で運行します。

片道10分ほどで、無料です。

東京 港区では自治体接種予約のキャンセル急増

こうした中、東京 港区では大規模接種会場での予約が始まった今月17日以降、自治体のワクチン接種予約のキャンセルが急増しています。

キャンセルの数は、今月15日は9件、今月16日は12件でしたが、今月17日は203件に上り、今月18日も55件となっていました。

港区は、区の接種で予約できた日より早く大規模接種でワクチンを打てる人のキャンセルが相次いだのではないかとみています。

一方、区は、二重に予約したままキャンセルをしない人や予約の直前にキャンセルをする人がいると、ワクチンがむだになったり本来予約できたはずの人が後回しになったりする可能性もあるとします。

このため、大規模接種の会場に行く人はすみやかに区の予約をキャンセルするよう呼びかけています。