接種から12日前後境に感染減少 “抗体まで一定の時間 対策を”

新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種から12日前後を境に感染の報告が減少する傾向が見られたという国立感染症研究所の分析について、専門家は抗体ができるまでには一定の時間がかかるため、ワクチンを接種してもマスクの着用などの対策をとってほしいと呼びかけています。

国立感染症研究所が4月中旬までのおよそ2か月間に、ファイザーのワクチンの接種を受けた全国の医療従事者110万人余りについて接種後の感染状況を調べたところ、感染が報告されたのはおよそ0.03%に当たる281人で、国立感染症研究所は「1回目の接種から12日前後を境に報告の割合が減少する傾向が見られた」と分析しています。

これについて、国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「ワクチンは1回目の接種から2週間ほどたって感染を防ぐ効果が現れる。海外のデータでは1回の接種で70%ほど感染が抑えられ、2回接種すると95%防ぐことができると言われている。1回でも効果はあるが2回接種でより効果が期待できる」と話しています。

そのうえで「ワクチンを接種すると感染しづらくなるのは間違いないが全くなくなるわけではない。ある程度の行動は可能になるが旅行や食事中の会話はまだ難しい。自分の感染が抑えられる中でウイルスを持っていればほかの人に感染させることはあるので、マスクの着用など基本的な感染対策を引き続きお願いしたい」と呼びかけています。

また、接種後の副反応については「ワクチンは抗体を作るものなので副反応で痛みやだるさ、発熱などが起きて2回目の接種後はその頻度が高くなる。特に若い世代は強く出るかもしれないが数日でおさまるので、調子が悪くなることがわかったうえで多くの人に接種してほしい。発熱した際は解熱剤を使ってもよい」と話していました。