収入落ち込む寄席支援 落語家などクラウドファンディング開始

新型コロナウイルスの影響で収入が大きく落ち込んでいる東京都内の寄席を支援しようと、落語家などで作る団体が、存続のための寄付をインターネットを通じて呼びかけるクラウドファンディングを18日から始めました。

これは、落語協会の柳亭市馬 会長や落語芸術協会の春風亭昇太 会長などが会見を開いて明らかにしました。

それによりますと東京都内で寄席を開いている5か所の演芸場では、新型コロナウイルスの影響で去年4月以降、休業や入場制限などを余儀なくされ、昨年度の売り上げは前の年度から平均で7割ほど減少したということです。

これを受けて落語協会と落語芸術協会は、寄席を存続させるために、インターネットを通じて資金を集めるクラウドファンディングを立ち上げ、5000万円を目標に寄付を募ることになりました。

きょうから6月30日まで一口3000円から受け付け、金額に応じて手拭いなどの限定品やサイン入り色紙、お礼のメッセージ動画などの特典がつくということです。

会見で柳亭市馬さんは「寄席はただ芸を披露する場ではなく、落語家の土台と呼べる場所であり、それが今なくなることを想像しないといけないほどギリギリの状況です。これからの落語家のためにもなくすわけにはいきません」と支援を呼びかけました。

また、春風亭昇太さんは「落語家にとって道場のような場所である寄席が廃業やむなしという声を聞き、何か動かないといけないと思いました。一度なくなれば『もう一度』という声はあがらないと思うので、寄席という大衆文化を守るためにぜひご協力いただきたい」と話していました。