大学生の就職内定率96% 去年同時期より2ポイント低下
この春卒業した大学生の就職内定率は4月1日の時点で96%と新型コロナウイルスの影響で去年より2ポイント低くなり、リーマンショックの影響を受けた2010年に次ぐ減少率となったことが厚生労働省などの調査でわかりました。
厚生労働省と文部科学省は、この春に卒業した大学生の就職活動の状況について全国62の大学、合わせて4770人を抽出して調査しました。
それによりますと、就職内定率は4月1日の時点で96%と調査開始以降、最も高かった去年の同じ時期より2ポイント低くなりました。
これはリーマンショックの影響を受け、前の年から3.9ポイント低下した2010年4月に次ぐ減少率です。
一方、この春卒業した大学生の就職内定率を時期ごとに前の年と比較すると去年10月は69.8%で前の年より7ポイント低下しましたが、12月は82.2%でマイナス4.9ポイント、ことし2月は89.5%でマイナス2.8ポイントと減少率は小さくなる傾向が続きました。
また内定率を男女別でみると男子大学生は95%と去年より2.5ポイント女子大学生は97.2%と去年より1.3ポイントいずれも低くなりました。
短大生の内定率は96.3%と0.7ポイント、専門学校生の内定率は91.2%と5.6ポイントいずれも去年の同じ時期を下回っています。
厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響で航空関連や観光業などを中心に企業の求人は減少したが人手が足りない製造業や建設業などでは採用意欲は高くオンラインでの採用活動も浸透した。一方で採用中止や求人の減少で当初の希望とは違う業種に就職した学生も少なくないとみられミスマッチなどによる早期離職につながらないよう支援を続けたい」としています。
また、この春に就職を予定していたものの、企業から内定を取り消された大学生や高校生は4月末の時点で合わせて133人に上っているということです。
このうち105人は新たな就職先が見つかったということですが就職先が決まらないまま卒業したケースもあるということで、厚生労働省はハローワークなどを通じて支援を続ける方針です。