分科会 尾身会長「宣言解除 医療ひっ迫防ぐため慎重に判断」

新型コロナウイルス対策を行う政府の分科会の尾身茂会長は、14日夜開かれた会見で、現在の緊急事態宣言を解除する際にはワクチン接種が進むまでの数か月の間、感染の再拡大や医療のひっ迫が起こらないよう慎重に判断する必要があるという認識を示しました。

14日夜、西村経済再生担当大臣とともに記者会見に出席した尾身会長は、今後、全国でワクチン接種が進み、通常の生活が期待できるようになるまであと数か月かかるという見通しを示したうえで、5月31日が期限となっている緊急事態宣言について、「変異ウイルスに置き換わったことであっという間に感染が広がり、医療のひっ迫が起こりうる事態となっている。あと数か月間、なんとかリバウンドと医療のひっ迫を防ぐことができるような解除の仕方にすることが最も重要だ」と述べ、宣言の解除には慎重な判断が求められるという考えを示しました。

また、インドで確認された変異ウイルスについて、「万が一、『インド株』によって感染拡大のスピードがさらに上がるような事態になれば、解除のためのステージの要件をクリアしても、さらにもう一段階、状況を改善することが必要になる可能性がある」と述べました。
そして、尾身会長は、「ワクチンの接種が始まり、検査体制も整ってきているのでこの状態があと1年も続くわけではない。今は厳しい状況だが、いま少し我慢することが、結果的に医療崩壊を防ぐことにつながる」と述べ、厳しい制限が続く現状に理解を求めました。