千鳥ヶ淵戦没者墓苑 拝礼式2年連続で中止 新型コロナで

海外の戦地などで亡くなった人たちの霊を慰めようと、毎年、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で行われてきた拝礼式が、新型コロナウイルスの影響で、去年に続いて中止されることになりました。

東京の千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、第2次世界大戦中に海外の戦地などで亡くなったおよそ37万人の遺骨が納められていて、毎年5月に行われる拝礼式では、皇族や遺族が参列して戦没者の霊を慰めています。

去年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、昭和42年以来の中止となり、ことしは5月31日の実施に向けて厚生労働省が準備を進めていました。

しかし、緊急事態宣言が出ていることに加え、遺族も高齢化しているため、感染リスクを極力減らす必要があるとして、ことしも中止することを決めたということです。

拝礼式が2年連続で中止されるのは初めてです。

戦没者の遺骨の収集事業をめぐっては、日本人でない遺骨と取り違えていた問題が明らかになり、去年は墓苑への納骨が見送られましたが、ことしは、ロシアや硫黄島などから過去に持ち帰られた274人の遺骨が日本人と確認され、5月、納骨されたということです。