北海道 緊急事態宣言へ 知事 全道で時短要請など より強い対策

北海道を対象に緊急事態宣言が出されることを受けて、鈴木知事は記者団に対し、全道で、飲食店に営業時間の短縮などを要請するとともに、札幌市と石狩地方、小樽市、旭川市では、酒やカラオケ設備を提供する飲食店に休業を要請するなど、より強い対策を講じる方針を明らかにしました。

この中で鈴木知事は、宣言のもとで行う措置について「基本的対処方針を踏まえて国とも協議をし、有識者にも意見をうかがったうえであす、対策本部を開催して決定したい。道内の市町村が札幌市と全く同じ状況にあるわけではないという考え方に沿って対応を求めていきたい」と述べました。

そのうえで、全道すべての市町村で、できるかぎり外出を控えるよう要請するとともに、飲食店などに対し、酒の提供は午後7時まで、営業は午後8時までに短縮するよう要請する考えを示しました。

さらに、鈴木知事は「札幌市で非常に感染が多いため、札幌市と石狩地方、小樽市、旭川市は重点対策として、徹底した対策を講じる」として、酒やカラオケ設備を提供する飲食店には休業を要請し、酒やカラオケ設備を提供しない、そのほかの飲食店には営業を午後8時までに短縮することなどを要請する方針を明らかにしました。

そのうえで、鈴木知事は「変異株が急速に拡大し、今まさに非常事態と言える状況で、医療も全道的に厳しい局面になっている。一人一人の命を守り、生活と暮らしを守るためにも、全道で、外出をできるだけ控えるよう協力をいただき、今月31日で状況をしっかりと改善できるよう取り組んでいきたい」と述べ、道民に協力を求めました。

札幌 秋元市長 「感染爆発 抑える」

札幌市の秋元市長は、記者団に対し「昨夜、北海道への宣言を見送る方針だと聞いたときは『なぜだ』という思いだった。分科会での議論を踏まえて北海道が対象となったことを重く受け止めたい」と述べました。

そのうえで「緊急事態宣言に伴い、市民や事業者にはさらなる負担をおかけするが、現在の感染爆発を抑えていく必要がある。昼間の人の流れは減っておらず、飲食店以外の施設に対しても強い措置をとることについて知事と協議したい」と述べました。

また、秋元市長は「変異ウイルスの感染力は極めて強く、道外では20代や30代の若い世代でも死亡が報告され始めている。従来とは違う恐るべきウイルスだと認識してほしい」と述べ、感染防止対策の徹底を、重ねて市民に呼びかけました。

一方、宣言の発出をめぐる政府の判断について、秋元市長は「札幌市は先月の段階で1週間の新規感染者数が人口10万人あたり25人を超え、国の指標上、宣言の対象となる人数に達していた。指標を超えた場合は、このような対策を取るということを、あらかじめ決めておくべきだ」と指摘しました。