JRと主な私鉄 利用の大幅落ち込みで計1兆5000億円超の赤字に

全国のJRと主な私鉄は、新型コロナウイルスの影響で鉄道やホテルなどの利用が大幅に落ち込み、昨年度の最終赤字の額は合わせて1兆5000億円を超える規模となりました。

旅客事業を行っている全国のJR6社と主な私鉄15グループの昨年度の決算が14日までに出そろい、最終的な損益はすべて赤字となりました。

赤字額は、
▽JR北海道が410億円、
▽JR東日本が5779億円、
▽JR東海が2015億円、
▽JR西日本が2332億円、
▽JR四国が80億円、
▽JR九州が189億円でした。

このうち、
東日本と東海は初めての最終赤字で、
北海道と西日本は過去最大の赤字額でした。
一方、私鉄の赤字額は、
首都圏では
▽西武ホールディングスが723億円、
▽東急が562億円、
▽東京メトロが529億円、
▽小田急電鉄が398億円、
▽京成電鉄が302億円、
▽京王電鉄が275億円、
▽京急電鉄が272億円、
▽東武鉄道が249億円、
▽相鉄ホールディングスが130億円でした。
ほかの地域では、
▽近鉄グループホールディングスが601億円、
▽阪急阪神ホールディングスが367億円、
▽名古屋鉄道が287億円、
▽西日本鉄道が120億円、
▽京阪ホールディングスが45億円、
▽南海電鉄が18億円でした。

この結果、全国の主な鉄道会社の最終赤字は、合わせて1兆5000億円を超える規模となりました。

厳しい経営状況を受けて、東急と近鉄は運賃の値上げも検討する方針を明らかにしています。

各社は保有するホテルやオフィスビルを売却したり、社員を一時的に休ませる「一時帰休」を実施したりしていますが、感染収束の見通しが立たず、厳しい経営環境が続いています。