東京メトロ 昨年度決算 民営化後で初の赤字 利用者が大幅減少

「東京メトロ」の昨年度の決算は、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減少し、最終的な損益が2004年の民営化以降、初めて529億円の赤字となりました。

東京メトロが発表した、ことし3月までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが前の年度より31%減って2957億円、最終的な損益は、529億円の赤字となりました。

最終赤字は2004年の民営化以降、初めてです。

新型コロナウイルスの影響で、定期券の利用者が29%、それ以外の利用者が40%減少しました。

東京メトロは、今後、感染が収束しても、テレワークの定着で定期券の利用者の回復は見通せないとして、休日に乗り放題となるサービスなどで需要の掘り起こしを進めるほか、駅周辺の商業施設の開発といった鉄道以外の事業に力を入れるとしています。

一方、今年度の業績予想は、株式の上場に向けた準備を進めているため、開示を見送るとしています。

会見で山村明義社長は「今年度に入っても利用者の落ち込みが続き、今後も需要の大きな回復は見込めない。鉄道を核とした関連事業を伸ばす必要がある」と述べました。

首都圏の鉄道各社は、JR東日本や主な私鉄もすべて赤字となり、厳しい経営環境が続いています。